CRT 栃木放送『開倫塾の時間』
2010 年4 月24 日(土)放送内容資料
―宇都宮大学大学院工学研究科で考える―
1.はじめに
おはようございます。
開倫塾塾長の林明夫です。
今朝も「開倫塾の時間」をお聴きいただき、ありがとうございます。
2010 年4 月17 日土曜日に、北関東自動車道の岩舟ジャンクションから佐野田沼インターチェンジまでの区間が開通し、非常に便利になりました。
来年2011 年には足利のインターチェンジができ、これで北関東自動車道全線開通になります。
これによる栃木県への影響を考えてみましょう。栃木県は、群馬県と茨城県を合わせて北関東と呼ばれることが多いですが、この北関東の高速道路網の中心に北関東横断道路がなります。
これは素晴らしいことです。
2010 年3 月に茨城県の百里基地に茨城空港が開港しました。高速道路網と茨城空港の2 つをうまく活用すれば、栃木県も国際競争力が一気に高まります。
ですから、皆様も北関東自動車道をどんどん活用して、ビジネスチャンスを広げたり行動範囲を広くしていろいろなところで活躍なさったりしていただきたいと思います。
2.就職試験で合格するには
(1)ところで、私は宇都宮大学大学院で客員教授をさせていただいています。
工学研究科という学科で、理科系のエンジニアリングを学ぶ方々に教えさせていただいているのです。
今日は、そのお話を少しいたします。
(2)国立大学法人宇都宮大学の工学部の学生さんの半分ほどが、大学院に進学されます。
大学院には修士課程と博士課程があります。私は、修士課程で学ぶ方々に「これからどのような世の中になるのか」「仕事に就く上でどのような能力を身につけたらよいのか」「企業とは何か」などを教える「経営情報工学序論」という科目の一部を担当させていただいています。
その授業の中で学生の皆さんにお話したことを、これから紹介いたします。
(3)大学院で学ぶ学生さんも就職試験に合格しなければいけないということで、非常にプレッシャーを感じ、また、いろいろなことを真剣に考えているようです。
講義に出席していたのは修士課程の1 年生が多かったのですが、1 年先・2 年先には採用試験を受けて自分の希望する企業や役所に入ったり、社会的な活動に就いたり、大学院の博士課程に進んだりしますので、大学院の学生さんも自分の進路について真剣に考えている次第なのです。
これは、大学院生も大学生も高校生も中学生もあまり違いがありません。
就職するときには試験がありますので、どのようにしたら就職試験に合格することができるのか、一般的なお話を今回の講義でさせていただきました。
(4)とにかく、何事にも「自覚」が大切です。何のために生きるのか・この世に生きて、死んだ後に何を遺せるのかを、一度は深く考えた上で、また、自分はどのような一生を送りたいのかをじっくりと考えた上で、進路を決めることが大事であると私は考えます。
御両親から授かった素晴らしい一生ですので、人生の過ごし方を考えた上で、また、何のために働くのか・何のために社会的な活動をするのかを考えた上で、就職する意味を自分なりの言葉で表現できるようにしてお
くことが大切であると思うのです。
(5)企業でも官公庁でもNPO(民間非営利団体)などの社会的活動でも、就職するときには必ず採用試験があり、その際には必ず履歴書を提出しなければなりません。
履歴書の中には、なぜその企業や役所、社会的な活動に就きたいのかという志望動機を書く欄があります。
また、今は経済状態がよくないので、面接試験が1 回ではなく何回も何回も行われます。
そこでも、なぜこの職場への就職を希望するのかが必ず質問されます。
(6)履歴書を審査する方や採用試験を担当する方、面接を担当する方など人事担当の方は、そこに入ることを希望する人を毎年何十人も、大きなところでは何百人、何千人も見ています。
ですから、あやふやな態度で臨んだり、本に書いてある「このようにすれば合格できるよ」というマニュアルのようなものを覚えたくらいで受けたのでは、なかなか合格することはできません。
しっかりした考えを持った人だけが合格を果たすと、私は考えます。
(7)では、しっかりした考えを持つにはどのようにしたらよいのでしょうか。それには、自覚を持つことだと思います。
自分の素晴らしいところ、あるいは弱点をはっきりさせた上で、何のために生きるのか・何のために社会的な活動をするのか・何のために就職をするのか・何のためにこの職場で働きたいのかを考えることが大事であると思います。
(8)自覚を持つにはどうしたらよいかというと、その1 つは本をじっくり読むことです。
人生や社会のことを考えられるような本を、ゆっくりと丁寧に読んでみることです。
(9)2 つめは、新聞を読むことです。
新聞には、毎日の出来事が深く分析された上で書かれています。
ですから、どこどこに就職したいと決めたその日から、毎日、読んだほうがよいと思います。
新聞をとっていない方は、図書館に行って読んだり、お小遣いをためてコンビニで買って読んだり、新聞をとっている方の所へ週に2 ~ 3 回行って読ませていただいたりするとよいと思います。
(10)大学院生であるにもかかわらず新聞を読んでいないのでは、あの人は専門分野のことは少しは勉強しているかもしれないが、世の中の動きはあまりよく知らないということになります。
インターネットで好きな分野の記事だけ新聞で読むのでは、片寄りが大きすぎてバランスに欠けます。
新聞は紙媒体のものを1 ページからなめるように読んで初めて、その新聞社が読者に伝えたいことがわかるのだと思います。
(11)もちろん、このCRT 栃木放送のニュースを聴くのもよいことです。ただ、放送時間が限られていますので、栃木放送でニュースを聞き、その中で興味を持ったことを新聞でじっくり読むようにするとよいと思います。
これも素晴らしい勉強の仕方の1 つですので、どんどん変わっていく社会の状況を新聞を読んで知り、それに対する考えを自分なりの言葉で述べられるようにして下さい。
(12)加えて、自覚を高めるために、これぞという本、できれば伝記を読むと、就職試験にも役に立つと思います。
自分の尊敬する人の伝記や自叙伝、自分の進む分野に限らず古典と呼ばれる本は、是非読んでもらいたいと私は考えます。
3.おわりに
就職試験に受かるにはどのようにしたらよいのかについては、今後もお話させていただきますので、これからもぜひこの放送をお聴き下さい。
― 2011 年5 月11 日校正、追記、林明夫―
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